遺品のお焚き上げとは｜大切な品を心を込めて供養する正しい方法

故人の遺品の中には、どうしても処分できない「思い出の品」や「形見」があります。
写真、手紙、人形、仏具、衣類など、捨てるには忍びない品々——。

そんなときに選ばれるのが「お焚き上げ（おたきあげ）」です。
これは単なる焼却処分ではなく、故人への感謝と供養の儀式。
ここでは、遺品のお焚き上げについて、専門家の視点から
その意味・費用・方法・注意点をわかりやすく解説します。

Contents

お焚き上げとは？意味と目的

お焚き上げとは、故人の遺品や想いのこもった品物を供養のために焼却する宗教儀礼のことです。
古くは仏教の「浄化」「成仏」の教えに由来し、感謝を込めて天に還す儀式として行われてきました。

単に廃棄するのではなく、

「ありがとう」「お世話になりました」という感謝の気持ちを込めてお別れする
—— それがお焚き上げの本来の目的です。

以下のような品は、お焚き上げを希望されるケースが多く見られます。

これらは「想いが宿るもの」「魂が入っていると感じるもの」とされ、
通常のごみ処分では抵抗を感じる方が多い品目です。

最も一般的なのが、地元のお寺や神社に直接持ち込む方法です。
供養の読経・祝詞の後に、合同もしくは個別でお焚き上げが行われます。
希望があれば立ち会い供養も可能です。

近年増えているのが、宅配によるお焚き上げサービス。
段ボールに遺品を梱包して送るだけで、提携寺院にて供養・焼却を行ってくれます。
遠方でも依頼でき、証明書の発行や写真報告が受けられる点が安心です。

仏壇や大型遺品などを対象に、専門業者が訪問・回収してお焚き上げを代行します。
搬出から供養まで一括で依頼できるため、高齢の方や女性にも人気の方法です。

費用は供養の形式・数量・搬出条件によって変動します。
事前に「何点まで・どのような儀式を含むのか」を確認しておくと安心です。

無許可の「焼却代行業者」に注意
　産業廃棄物処理の許可がない業者が焼却すると、法令違反になります。
　必ず寺院・神社または正式な委託先を通すことが大切です。
合同か個別かを確認
　合同供養は他人の遺品と一緒に行われます。
　個別供養を希望する場合は、別料金で対応してもらえるか確認しましょう。
供養証明書・焼却報告書の有無
　特に宅配依頼の場合は、供養完了の報告がある業者を選びましょう。
形見・貴重品の混入に注意
　遺品整理の段階で、貴重品や残す品を誤ってお焚き上げに出さないように注意が必要です。

最近では「リユース供養」という考え方も広まっています。
まだ使える遺品をリサイクル・再利用することで、環境と想いを両立する新しい供養の形です。

ただし、人形や位牌など明らかに宗教的意味を持つものはリユースせず、お焚き上げが適切です。
専門業者では、供養＋再利用の両方に対応している場合もあります。

お焚き上げは、遺品を「燃やす」行為ではなく、
故人の想いと共に心を整理する行為です。

「ただ捨てるのではなく、きちんと送り出したい」
その気持ちこそが、真の供養といえます。

寺院供養・宅配サービス・出張回収など、状況に合わせた方法を選び、
感謝の気持ちで遺品とお別れしましょう。

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