遺言書とその遺品整理

遺言書とは?

遺言書とは被相続人が生前に自分の資産をどのように分配するのかを自分の意志によって決まることが出来る法的効力のある文書です。もしそういった遺言書が出てきた場合には、遺言に従って遺品整理を進めなければいけません

遺言書は勝手に開封しない

遺言書が見つかったからといって自由に開くことは出来ません。家庭裁判所の検認を済ませて開封することになります。もし勝手に開封してしまった時には、遺言が無効になることはありませんが5万円以下の過料に処される可能性があるので気を付ける必要があります。

遺言書は法的効力があります

遺言書は弁護士や司法書士の元で公正役場で作成され管理し、法的に効力のある文書となります。取り扱い保管も厳重にしなければいけません。

遺言書には種類があります。

  • 自筆による遺言書
  • 公正証書遺言

自筆による遺言書というのはパソコンやワープロなどを使わずに自分の自筆による遺言の作成方法です。これは民法で定められています。

第968条
  1. 自筆証書によって遺言をするには、遺言者が、その全文、日付及び氏名を自書し、これに印を押さなければならない。
  2. 自筆証書中の加除その他の変更は、遺言者が、その場所を指示し、これを変更した旨を付記して特にこれに署名し、かつ、その変更の場所に印を押さなければ、その効力を生じない。

wikibooksより参照

公正書遺言というのは公正役場で作成管理されることで、自筆の遺言よりも秘匿性も高く偽造の心配もないというメリットがあります。

家庭裁判所での検認が必要

遺言書は家庭裁判所で検認をして開封をすることになります。何故自分達で開封していけないのか?それは偽造されることを防止するためです。多額の遺産があることで偽造を試みようとする人が少なくないということからでしょう。

検認には申し立てをする必要があり、申立書と手数料800円が要ります。家庭裁判所は最寄りとなります。全国の裁判所所在地マップ

家庭裁判所に提出する申し立てに必要な書類

提出する書類はご自身でも揃えることも記入することも可能です。

(1) 申立書(6の書式及び記載例をご利用ください。)

(2) 標準的な添付書類

※ 同じ書類は1通で足ります。

※ もし,申立前に入手が不可能な戸籍等がある場合は,その戸籍等は,申立後に追加提出することでも差し支えありません。

※ 戸籍等の謄本は,戸籍等の全部事項証明書という名称で呼ばれる場合があります。

※ 審理のために必要な場合は,追加書類の提出をお願いすることがあります。

【共通】

1. 遺言者の出生時から死亡時までのすべての戸籍(除籍,改製原戸籍)謄本

2. 相続人全員の戸籍謄本

3. 遺言者の子(及びその代襲者)で死亡している方がいらっしゃる場合,その子(及びその代襲者)の出生時から死亡時までのすべての戸籍(除籍,改製原戸籍)謄本

【相続人が遺言者の(配偶者と)父母・祖父母等(直系尊属)(第二順位相続人)の場合】

4. 遺言者の直系尊属(相続人と同じ代及び下の代の直系尊属に限る(例:相続人が祖母の場合,父母と祖父))で死亡している方がいらっしゃる場合,その直系尊属の死亡の記載のある戸籍(除籍,改製原戸籍)謄本

【相続人が不存在の場合,遺言者の配偶者のみの場合,又は遺言者の(配偶者と)の兄弟姉妹及びその代襲者(おいめい)(第三順位相続人)の場合】

4. 遺言者の父母の出生時から死亡時までのすべての戸籍(除籍,改製原戸籍)謄本

5. 遺言者の直系尊属の死亡の記載のある戸籍(除籍,改製原戸籍)謄本

6. 遺言者の兄弟姉妹に死亡している方がいらっしゃる場合,その兄弟姉妹の出生時から死亡時までのすべての戸籍(除籍,改製原戸籍)謄本

7. 代襲者としてのおいめいに死亡している方がいらっしゃる場合,そのおい又はめいの死亡の記載のある戸籍(除籍,改製原戸籍)謄本

遺言書の相談は弁護士へ

申立書は書類の不備がある場合は受理してもらえませんし、書き損じなどがある時も訂正を行ったりと手間がかかることがあります。誰しも不慣れなことですから当たり前です。もしご自身での書類作成が難しいようなら弁護士、もしくは司法書士へ相談されることをお勧めいたします。士業の方たちは間違いもありませんし、書類を集めることも代行で行ってくれる場合もあるからです。

まだ遺言書が見つかっていない時

公正役場で作成された物なら既に保管されていますから安心ですが、(作成したことを聞いていて)自筆による遺書がまだ見つかってない場合には、それらを探す必要があります。大切な物なのですがおおよそ仕舞い込むところというのがあります

遺言書がありそうなところ

タンス/食器棚/仏間/金庫、貸し金庫/寝室/書斎の机の中/会社のオフィスの机、金庫

こんなところに保管されているケースが多いので、もしまだ捜索の途中でしたら今一度探してみましょう

遺言書が見つかった時点で遺品処理は中止しましょう

遺品整理の途中で遺言書が見つかったならば、一度作業は中断しましょう。遺言書に遺品についても書かれているかもしれません。遺言に書かれているものを勝手に処理は出来ないからです。検認の申し立てを終えてからの再開となります。

遺言書の下による遺品整理

仮に遺言書に「美術品一式を〇〇へ譲る」や「貴金属・宝石類は〇〇に譲る」と誰かを指名して記載があれば他の相続人はそれらを自由に持って行くことは出来ません。分割協議をしていたとしてもです。仮にその遺言の分配に不公平が生じている場合は「遺留分請求」という方法もありますが、とりあえずは遺言書に記載されていることが優先となります。

まとめ

遺言書は法的効力のあるものなので、もし見つかったら勝手に開封せずに家庭裁判所に申し立てを行い開封してください。もしまだ見つかっていない場合も、ありそうな場所を今一度捜索してみましょう。遺言書がある場合は遺言書にのっとって遺品整理をすることが重要です。